私は恋人

恋は下り坂だ。
初な気持ちに気づいたら、後は真っ逆さまに落ちるまで止まることはできない、期間限定特別企画だ。
では愛はどうだ。
愛は上り坂だ。険しく辛い道が待っている、人生そのものだ。
ただふっと振り替えると、そこには絶景が待っている。故に、愛も悪くないだろう。
しかしどんな絶景でも、あるいはどんな美男でも、何年・何十年と眺めていると、途端に感じるのだ。
飽きた…と。
前を向けば、先のないゴール。後には、ただ当たり前の日常が…。
刺激のない道に、新たなコースを選んでみたくもなる。新たな出会いを求めてみたくもなる。
その人の隣なら、あの人の隣ならきっと違う景色が見えるはず。
でもまたほら、気付くのでしょう。私が女であることを、女という生き物を…。
女は、同じ場所に居られない。同じ男と歩めない。
女は、求め求められる不安定な雲であり、餌をじっと待ち続ける忍耐の蜘蛛でもある。
矛盾した性は、もうあるはずのない恋をただ焦がれて…。
どこにあるのでしょう。あるいは、いつくるのでしょう。
青春時代。 

人生があまりに小さく、だけど世界の全てだったように。まるで、ヒロインだったように。
子供も親も未来も全部捨てて、今ある自分のことだけを考えて、それだけに自分を賭けられる時を。
だから、見つけます。だから、待っています。
私をここから出してくれる、私の大切な物を壊してくれる素敵で危険な男性を。
否、人でなくいい。
私がただ欲しいのは、恋だけだ。